十三機兵防衛圏の感想

十三機兵防衛圏

「アトラス×ヴァニラウェアが贈る珠玉のドラマチックアドベンチャー

https://13sar.jp

ついに遊んだので感想です。クリアまでのプレイ時間は20~30時間程でした。

美麗なグラフィックや、気の利いているSEが気持ちよかった。
シミュレーションバトルにあまり明るくないので心配していましたが、難易度カジュアルなら全然困ることなく楽しめました。

ボーイミーツガールが好きでSF好きならぴったりだとオススメされたのですが、まさしくツボをついていました。
「可憐な女の子がごついロボットに乗って戦う」というのは私の好みにとても合っていました!
どこかでみたことあるようなSFの好きなものを全部詰めこんだ「宝箱」のようなストーリーで、複雑に絡み合う視点や時系列に真相が見えてきた時の爽快感や考察も楽しく、とても満足できました。

 

以下、ネタバレ有りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このゲーム、始める前は関ヶ原&東雲が好きかもとおもってたんですが、気付いたらずっと恵ーっ!!と言ってた。Switchのスクショは比治山だらけでした。一番気に入ったのは、なっちゃん&ゆきちゃん&三浦です。


エピローグでみんな幸せになってとても良かった!こんなにきれいにみんな救われるのね~とホッとした。

13人の各主人公パートについて感想を書いていきたいと思います。
ちなみに最も最初にクリアしたのが緒方編、最後が東雲→比治山→郷戸の順番でした。


    •    鞍部十郎
序盤の街中で機兵を呼び出してしまうシーンが超絶ワクワクでした!!!
突然機兵が現れるのすごくいい!!!
日常が剥がれていくかんじ、これからどんなドラマが始まるんだろう!?と期待が膨らんだ!!!
頭の中でグリッドマンのOPが流れ出したよ。
あのかっこいいシーンをやりたいから、強制起動の設定を作ったのでは?

教室を起点にルート分岐していくシステムで、とてもゲーム的に面白かった。こういうのを他の人視点でももっと遊びたかったかも。

ストーリーが友情メインなのもとてもよかった。みんな恋愛感情で動きすぎなので……。
柴くんが十郎にしか見えてないと知った時かなりビビりました。(薬師寺編を先に遊んでたので、おまえもか!?とびっくり。)他の人視点で同じ教室のシーンを遊ぶと、十郎がひとりごと言ってるんですよね。網口編でも網口の部屋に十郎しかいないの。……怖っ。

あ、あと校庭の休憩場にいる沖野君にずっと話しかけたかったんだけど、最後の最後で話しかけることができて嬉しかったよ。

こんなかんじで見せ場が多かったです。
主人公!ってかんじで気持ちの良いストーリーでしたね~

    •    冬坂五百里
女子の主人公ポジションのイオリ編。
完全に攻略順をミスった。割と後半にしてしまった(先に十郎を進めてた)ので、「本当は森村なの!?」「もしかして異世界人!?」「私は騙されていて、実は悪者!?」とかなーーり疑心暗鬼になってる状態で遊び始めてしまい、素直に感情移入できなかったの。真相がわかったからは、イオリはイオリであって森村とは別人格であり、素直にカワイイ女子高生として愛でれば良かったと後悔した。ごめんな、イオリ。
いちばん謝らなければならないのはミワコなんだけども……(詳細は薬師寺編で書きます)

私は「女子高生3人組」という概念が大好物なので、イオリ&ミワコ&ウサミはとっっても良かった!!完全に「「「わかってる」」」人が書いてるなと思った。特に3人組の日常風景が、女子高生3人組を好きなおじさんが書いてる感じでとても良かったです。
完全に飯テロで、遊んでてとてもとても楽しいルートでした。

あとあとあと、もうもうもう、関ヶ原とのラブコメよ!!!少女マンガじゃん!!!
食パン咥えて遅刻遅刻~!って通学路を走ってたらイケメンとぶつかって一目惚れしてさ!(しかも落とした生徒手帳を関ヶ原が拾うのもとても王道で良い)(特典DLCで鞍部が遅刻遅刻~!ってしてたの爆笑しました)
悪い人に絡まれてるところを助けてもらってさ!
バイクに2ケツしてさ!
女子高生3人組でキャッキャしてるところにバイクで現れて強引に連れ去っていくところ、ミワコじゃないがそのまま恋路を駆け抜けろーっ!!
イオリ編の関ヶ原がとにかくイケメンで、ちょっとかげがあってカタギじゃなさそうなかんじとか、とてもよかったです!!!!!!!!!
関ヶ原が出てくるたびに「かっこいい~!」って声に出してた。

それでそれで、最後、関ヶ原の機兵に乗るわけよ!!!!!!!
で、崩壊編プロローグに繋がるわけでしょ!?アツいですわーーー!!!!!

オリジナルのふたりは殺し屋とターゲットだったわけで、時代と場所が変われば…というカップルでした。

 

    •    薬師寺
唯一、感情移入して遊んだのが薬師寺編。最も感情を揺さぶられる演出でした。

プロローグでもうすでに恵に感情移入しはじめてしまいました。
恵に感情移入しすぎて、イオリ&ミワコ&ウサミの女子高生3人組がちょっと嫌いになっちゃったもの。だって兎美は恵のたった一人の親友なのに…3人で楽しそうにキャッキャしててさ…恵は廊下で十郎や兎美たちの教室をひとりぼっちで覗いてるんだぞ!?

校門で兎美と会って「君も友達なんだけどな」みたいな会話するところホントもう泣きそうになった。恵は「同じクラスの友達と帰るんでしょ?私は1人で帰るからいいよ」っていうタイプなんだよな~~
放課後に買い食いとかしちゃってさぁ、恵も誘ってやれよ!!!恵もさぁ、そこは私も一緒に帰っていい?って誘うんだよ!!!いやでもそれを言えないぼっちなところが恵らしくて好きなんだけども!!!

ウサミを撃つシーン、ミワコやイオリのぶんもパンを買いに行ってる場面なんですよね……楽しそうにしやがってさぁ!恵はひとりで手作りのお弁当を食べてるんだぞ!(たぶん)

薬師寺編プロローグで、恵が頭がいいのを鼻にかけて偉ぶってるとおもわれて損してるという話が伏線になってて、崩壊編の第3エリアでユキちゃんからも言われるんですよ。

ユキ「頭がいいの鼻にかけて、女々しくグジグジ言う奴かと思ったが…野郎どもよりいい根性じゃねえか…見直したぜ、突っ込むからついて来な」

さっすがユキちゃんは恵のいいところわかってるー!っておもいました。
恵、いい根性してるんすよ。
プロフィールに、のほほん娘と書かれつつも、本編にのほほんとしてるところが全然出てこないんだよね。私たちは覚醒後の恵しか見てないので、もっと、和泉十郎とのあまあまのほほん話を見たかったです。

で、覚醒した恵ですよ。
本当によく頑張ったね!!!!

強引に鞍部家の居候になってるのはさぁ、もう二度と好きな人を失わないという恵の覚悟なんですよ。

しっぽが自分にしか見えてないとわかったときのゾワっとする感じ、このゲームの名シーンのひとつではなかろうか。
そこでミワコに謝らないといけないのが、校門で恵がしっぽと話しているとき、通りかかったミワコが恵にドン引きしてるシーンがあるんですよ。

そこで私は「ミワコはさ、自分は猫にかわいい~!とか言ってるくせに、恵が猫と話してると引くとか、なんなの!?たしかに変な子だけどさ、はぁ?」と思ってミワコちょっと嫌いになっちゃったんだけど……

ミワコ目線だとしっぽが見えてなくて誰もいないところでブツブツ話してるように見えたんだよね……そりゃ引くわ……ごめんね、ミワコ。

 

十郎に鯖を食べさせたい…好物のハンバーグを作る…のに、十郎は友達とラーメン食べてきたとかカップ麺を食べるからいいとかぬかしやがってさぁ……たいへんなんだぞ料理するのは!!!思春期の男の子のアレコレがあるというのは理解できるけど、それでも恵に全面的に味方するわたしは腹が立った。美味しく食べてくれる三浦のことがちょっと好きになったわ。

恵は鞍部十郎のなかにある和泉を見ているという指摘、そう言われるとなかなか痛いところではあるんだが、まあ本編では語られない恵の大恋愛や決意を思うと恵の気持ちに寄り添ってあげたくなる。そこは鞍部十郎の頑張りどころということで。とりあえず美味しくご飯を食べるところからはじめるといいとおもう。

最後に思い詰めて切腹…ならぬ腹に発砲して自決するシーンは泣きました。でもちゃんと、恵はみんなに愛されてた。しっぽにも、和泉十郎にも、鞍部十郎にも。本当によかった………!
エンディングずっと「恵?」「恵!」「恵ー!」と叫んでたよ。

 

    •    関ヶ原
イオリ編でイケメンぶりを発揮して、他の人編の随所に現れては意味深な行動をして、こいつは何をしているんだ!?と思わせておきながら、肝心の関ヶ原編を遊ぶと記憶喪失で何も覚えてないという……。

少女マンガ的展開で、イオリと東雲先輩とどっちに傾くの~!?みたいなドキドキストーリーをもっと膨らませられたとおもう。

エピローグで、関ヶ原だけ登場しないのは、群れない男でとても良かった。解釈通りですわ。

    •    鷹宮由貴

スケバン刑事の探偵ストーリーはワクワク面白かったです。
なっちゃん救出シーンはとてもよかった!
ここでのワトソン君役は426だったんだよね。女子高生の格好でノリノリで すっとぼけたことを言ってたんだなあと思うと、かわいいところもありますね。

    •    南奈津乃
なっちゃんは最も好きになったキャラクター。
SFオタクの健康少女、とても良いですね。ETだのMIBだの分かりやすいSFネタが散りばめられていて楽しかった。
ユキちゃん編と並行して進めていたので、失踪してしまう未来を知っていたため、いったいなっちゃんに何が起きるの!?とドキドキ遊びました。
相棒BJとの掛け合いも楽しい。なっちゃん編はいろんなセクターをまたにかけるのがまた楽しい。
時系列通りに遊ぶと、南とBJは結構長い間いっしょにいたんだなということに気付いた。友情を育んだんだね。南の気持ちを汲んで本人に色恋を伝えずそっと裏で守っているBJ(ミウラ)がとてもよかった。南編のエンディングが映像的にも非常に美しかったです。

    •    三浦慶太郎
なっちゃん&三浦カップルが最もお気に入りなんです。時代と場所が変わってもふたりは恋人同士なのがとても良い。そういうのが好きなんだよそういうのが。
エピローグで、他のカップルがさっさと子作りしてる(そういう世界観だからそれが正解なんだけども)なかで、三浦だけはこれからご両親に挨拶を…とか言ってる貞操観念の硬さが好印象でした。

三浦に関しては初期に書かれたせいか没エピソードが多いらしい。
没ネタでは、三浦の機兵は1944年の島影に隠されている巨大機兵・富士号だったんだって。起動マーカーは胸にあり、激情的に服を破って起動したんだとか。なにそれかっこいい……!
AIミウラの搭乗機はなっちゃんに譲られ、AIヒジヤマの搭乗機は三浦に譲られた。AIヒジヤマとの胸熱シーンもあったけどカットされたらしい。
三浦編の最後で比治山と機兵を奪還するべく共闘するところも、もっとたくさんあったんだろうな。見たかったな。

比治山と焼きそばパンとハンバァグのどっちが美味しいか論争をするところかわいい。制作者インタビューによると、ふたりでハンバァガァを食べにいくそうですよ、かわいいね。

    •    比治山隆俊
比治山編、小銭を拾って焼きそばパンを食べたり、女の子に見惚れたり、なにしてんの!?って感じでとてもよい。
私も好きだよ焼きそばパン。
このゲームやってる間やたら焼きそばパン食べちゃったわ。
Switchのスクリーンショットは比治山だらけです。後半、みんなの話が重くなってくるなかで、癒しでした。

    •    緒方稔二
ゲーム的に最も面白かった!!真っ先にクリアしました。
こういうシチュエーションもたまらなく好きです。ループもの大好き。
如月編で緒方の駅のホームのシーンがあり、この日の夢(?)だったのか~!!と感動した。

他の人編で、なにかと女子関連で苦い思いをしているらしくていい味を出してた。意外とおぼっちゃまなんですけどね…ハンカチを屋上で干してるような。


    •    如月兎美
廃墟でサバイバルもの自体よりも、他の人編とのリンクのほうが昂ったかも。時系列通りに遊ぶと、如月編はかなり早いということが分かった。如月はちょっとしたセリフがカワイイですね。


崩壊編wave0で、後ろから撃ったわね、起動マーカーが押しにくいわ、と文句を言ってたのは恵編を遊ぶとわかる仕組み。あとでここのセリフを読み直してなるほどねーとおもいました。この戦いが終わったら一緒にクレープ食べよう~なんて死亡フラグ的なことも言ってた。この戦いの後、おそらくこの街に帰ってくるのは復旧した5年後ですよね……エピローグでイオリやミワちゃんと買い食いに行ってるんですけど……恵とも食べに行ったんだよね!?

    •    網口愁

恵に撃たれた途端に機兵が呼び出されるの超絶カッコよかった!!
先に恵編でこのシーンを見たので、網口も柴君同様に何か私達の知らない真実を知ってるのか!?とゾクっとしたけど、網口編を遊んだら本人も何も分かってなくて笑っちゃった。
網口の起動ポーズカッコいいよね。

    •    東雲諒子
最後の方まで残してしまっていたので、先に遊んでたら印象が変わったのかなぁ。
なっちゃん編を遊んでたので、「あ、悪いやつだ!!」と思ってしまっていた。
薬の効果が切れてくるとき、視界も音も歪むのが怖かった。

 

    •    郷登蓮也
ネタバラシ役なんですけど、最後に遊ぶことになるから感情移入しづらかった。結局こいつも色恋で動く低俗な民かよ、と思ってたら同じことを千尋がツッコミしてたので笑っちゃった。
他の人との絡みも薄いので、最終戦で「なぜ皆そんなに使命感に燃えてるんだ!?勝手に突っ走るんじゃない!!」ってなってそう。


最後まで分からなかったことも書いておきます。答えを知ってる人がいたら教えて欲しいわ。

 

・イージス作戦を決行していたとしても、結局は18歳になったらあのエンディングで流れた博士からのメッセージが出て、セクターの世界が消えるのでは?
まあ、地球の文化を継承して希望に満ちた新しい世界を開拓して欲しいという意図があるらしいので、廃墟で数年過ごして荒んだ心で開拓スタートするのは悪い気もする。

 

・それぞれの機兵に乗ることになった理由は?

no.9までは自立型
第一世代
・10緒方
緒方は最終戦にて初参戦とおもわれるのに、なぜこんなにナンバリングが早いのかな?

・11関ヶ原
一度機兵を失った関ヶ原に、426が用意したのが改良型の11と語られています。が、なぜ426は11を調達できたんだろう?
DLCによると第5世代に乗る予定だったらしい。

・12沖野→比治山
作中で沖野から譲り受けるストーリーあり。
セクター3の戦闘で他のみんなは第二世代に乗ってるのに、なぜ沖野は第一世代だったんだろうかと疑問に思ったので推測しました。沖野は最初の機兵製造のときから参戦しているので、適合者としてまず自分が第一世代機に乗ってテストしたのかもしれない。


第一世代機→ 井田の設計、沖野は手伝い。
第二世代機→不明。井田か沖野と思われる。
第三世代機→沖野が設計
第四世代機→最終戦で初登場

第二世代
2025年の戦闘でヒトが乗っていた機兵。

・13十郎
和泉も鞍部もこれ。
和泉が2025年に置きっぱなしになってたのを、三浦に接触して1985年に呼び出したんだな。

・14東雲
井田先生が選んでくれた機兵

・15関ヶ原→冬坂
関ヶ原が冬坂に搭乗者登録を譲るストーリーあり。

第三世代
2025年の戦闘でAIが乗っていた機兵。
・16キサラギ→如月
AIキサラギからヒト如月へ権限が移った。

・17ミウラ→南
AIミウラから南へ搭乗者登録を譲るストーリーあり。

・19ヒジヤマ→三浦
AIヒジヤマから三浦へ搭乗者登録を譲る没ストーリーがあったらしい。

第四世代
終戦で初参戦の機兵。

20網口
21鷹宮
22郷登
23薬師寺
どれも最終戦で初戦闘。
薬師寺は、DLCによると第5世代に乗る予定だったらしい。作中に東雲のかわりに14に乗るかもという話もしてましたね。

 

最後になりますが、こういうストーリーが大好物なので、とても面白かったです。謎が謎を呼ぶ構成が見事でした。

一方、ティーンだしそういう世界観だし仕方ないけどみんな恋愛感情で動いてるのはちょっと不満だった。特に、ゆきちゃんが崩壊編で網口に嫉妬してるのは可愛いけど解釈違いでモヤッた。なっちゃん&ゆきちゃんは男よりも友情を取ってほしいんだよなあ。コナツはなっちゃんとの子かも…と言ってるゆきちゃんが好きです。なっちゃんとゆきちゃんをもっと見たかったな。ミステリーファイルやDLCの幼い頃の2人のイラストがとても可愛いです。なっちゃん周りのキャラクターみんな好き。
そしてやっぱり焼きそばパンのことばかり話してしまうゲームでした。